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平成23年度 インダバ (指導者のつどい)
2 1日目(2) − 6月4日(土)
隊集会 その2
(テーマ:以心伝心)

この隊集会は、初日の、いや、今回のインダバ全体の圧巻になると思います。

下の地図のように、自然の家の敷地の隣に、穂高湖という池(人造湖)がありますが、その奥にある岩場(シェール槍)と池のカヌー用桟橋。 そして、岩場を見ることのできるドライブウエイのカーブポイントの 3点間で通信をしようというものです。

隊集会-1

シェール槍から (1) の池の桟橋までは、約250m。 (2) の道路までは、約300m あります。 (1) と (2) は、ごく近くなのでですが、茂みのため見ることができません。

写真では、なかなか雰囲気が伝わりませんが、各地点からは、シェール槍は右のように見えます。

シェール槍から見た (1) (2) のポイントは下の写真のようです。

隊集会-4

隊集会-2
(1) からシェール槍を望む
隊集会-3
(2) からシェール槍を望む

シェール槍は、かなり高所で、下を見ると足がすくむところもある岩場です。

さて、この3点間で通信をする課題は・・・

地図にある、徳川道代官所 へ申請書を持って行き、徳川道の通行手形をもらうことです。

申請書は右のようなものですが、

(1) には、結び目だけが付いている

(2) には、藩主の名前だけが載っている

つまり、半分だけの不完全な申請書を渡してあるのです。

内容は以下のとおり各班ごとに違います。 藩主は、徳川道を通る可能性のあった、幕末の西国の藩主を選んでいます。 おそらく知らない名前で、きちんと受信しなければ伝えられません。

隊集会-5
隊集会-6
班名結び目藩主の名前
レッドブル一重つぎ 島津忠義(ただよし)
ネコ 8の字結び 細川韶邦(よしくに)
ペンギン ちぢめ結び 黒田長溥(ながひろ)
ふくろう もやい結び 浅野長訓(ながみち)
ひつじ 本結び 毛利敬親(たかちか)
レオポン てぐす結び 鍋島直大(なおひろ)

(1), (2) はそれぞれの情報を、シェール槍を中継することで交換するのです。 情報が揃ったら申請書を完成させて代官所へ行き、2枚が合致したら、通行手形を授与してもらえるというわけです。

ところが、実は、その作業内容はシェール槍にいるものにしか伝えていません。 したがって、シェール槍の方から、(1), (2) に指示を出して、情報を送ってもらわねばなりません。

伝える文章も決まっていません。 班ごとに、手旗によって会話をしながらこなしていく課題なのです。

制限時間 1時間の中、かなり苦労していましたが、35分ぐらい経過した時点で最初にネコ班がやり遂げました。 最終的には 6個班中、4個班が成功しました。

やりとりの様子は写真を見てください(ここの5枚の写真は遠さが実感できるようにクリックすると拡大します)。

なお、右の2枚目の写真で、6原画を間違えてうっているように見えるのは、班で独自に決めた合図のようです。

隊集会-11

隊集会-7
隊集会-8
シェール槍
隊集会-9
(1)
隊集会-10
(2)

後の方では、日が沈んできたために、シェール槍に立った位置によっては背景が光って見難かったことがありました。

双眼鏡も渡していましたが、それでもよく見えなかったようです。

ネコ班の勝因は、おそらく以下のことでしょう。

  • シェール槍の立った位置が良かった(でも横は断崖)。
  • 事前の班集会で、手旗以外の指示の出し方(班の区別、「前に移動などの」位置の指定)がきちんと決められており、実際に機能していた。
  • 手旗をよく習得していた(双眼鏡もあまり使わず)。

他の班は、まず自分の班の仲間がどこにいるかを見つけるのに時間を消費していましたので、やはり、準備が大事ということですね。

無事、申請書を 2枚完成させた班は、代官所へ行って、中島代官(と村娘?)から、家門表具店作の通行手形をいただきました。

隊集会-16隊集会-15

隊集会-12
隊集会-13
隊集会-14

なお、手旗を送受信しているところは通行するハイカーの皆さんの注目を集めただけでなく、代官様におかれては、道行く人に怪しまれていたことを申し添えておきます。

優秀班伝達

手旗については、圧倒的な実力を示す、ネコ班 が、連続して優秀班を取りました。

優秀班伝達-1

このまま最後まで独走するのでしょうか。

まだ分かりませんよ。 例のアレもありますし…

班長訓練 明日の小遠征について
(全員参加)

夕食の時間ですが、ここで明日の小遠征について課題の説明がありました。 夕食の時間も含めて、各班で取り組みを開始してもらうためです。

明日の小遠征は、ベンチャーでの探検旅行(遠征)をイメージし、ボーイでのハイキングと違ってあまり課題を指定せず、コースも各班ごとに設定します。

そうはいっても、「ただ歩いて来なさい」では面白くないし、ベンチャーでのプロジェクトの取り組みにもなりません。 一定の目的を持って取り組むことが重要です。

本来であれば、このインダバの前に、班編成をしておき、時間をかけて事前調査・計画をして臨むのが理想ですが、そこまではできませんので、せめて前日から準備しようというわけです。 でも、これは、今までのインダバには無かった展開ですね。

班長訓練-2

さて、小遠征のテーマと課題ですが、隊集会で受取った徳川道の「通行手形」がポイントになります。

通行手形の冒頭に、「右之者共、此度ぬくと迄、罷越候付」とあります。 ぬくとというのは、地名で、自然の家から徳川道を通って、1時間程度歩いた場所にあります。 そこまで、コースは自由ですが、どの班も「罷越(まかりこし)」てもらいたい。

共通課題は、以下の 3つですが、その他は、各班で課題を設定し、自由に調査をしてもらいます。

  • 徳川道普請での通信方法を検討する
  • 「ぬくと」の橋の想像図を描く
  • 「ぬくと」の地名の由来を考える

徳川道は、西国街道の代替道として急遽作られた道ですが、その普請で資材や人足の手配に何らかの通信が必要だったのではないか。 今日の隊集会で手旗を学んで、実際に使う経験をしたのですから、それを活かして、当時を想像し、通信方法を検討してもらうのが、1つ目の課題。

2つ目の課題は、徳川道の資料にぬくとには土橋が架かっていたとの記録があるので、どこにどう架かっていたかを考えて欲しいというもの。

最後の課題は、ぬくとというちょっと変わった地名の由来を考えてもらうというものです。 徳川道の横にはシェール道というのがありますが、これは明治のころにこの地域を歩いたドイツ人のシェールさんに由来するもの。 ぬくとの先には黄蓮(おうれん)道、というのがありますが、これは、ウォーレンさんに由来します。 また、昨年 Backwoodman の一人として紹介した、ドーントさんに因む、ドーントリッジなどもあります。 では、ぬくとはどうなのでしょうか。

実際のベンチャー活動なら、こういう課題も事前研究の中で出てくると思いますが、前日から計画ですので、あえてヒントを出したことでした。

徳川道については、いくつかの資料を配布し、書籍や地図も閲覧できるようにして、研究してもらうことにしました。